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Channel: 日々の気持ちを短歌に

北原白秋歌集(110) 歌集「白南風」(2) 天王寺墓畔吟(6)

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7月19日(金)

北原白秋歌集(110)

中公文庫:日本の詩歌9(北原白秋)より

昭和49年十一月十日初版

歌集「白南風」(2)

天王寺墓畔吟(6)

ほろほろと()珠鶏 ( たまとり )のこゑきけば夕日ごもりになりにたらしも

仏にはかかる和をと宣らせこそなどか愛しき闌くる若葉の

吹きちらふ物みな涼し(あさ)東風 ( こち )や石塔のうへの ( あゐ )微塵 ( みじん )の花

若葉どき雲形定規かきいだき学生は行く燃ゆるその眼眸(まみ)

生けらくは生くるにしかず(ほほ)の木も木高 ( こたか )く群れて花ひらくなり

(つづく)


万葉秀歌(上巻)(116) 斎藤茂吉著  巻第四(1)

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7月19日(金) 
    
万葉秀歌(上巻)(116)

斎藤茂吉著

巻第四(1)

(やま) ( は )味鳧群騒 ( あぢむらさわ ) ( ゆ )くなれど ( われ )はさぶしゑ ( きみ )にしあらねば

(巻四・四八六)舒明天皇

岳本天皇(おかもとのすめらみこと)御製一首並短歌とあり、その短歌。

茂吉:一首の意は、「山の端をば味鴨が群れて鳴いていて、騒ぎ飛行くよう

に、多くの人が通り行くけれども、私は寂しゅうございます、その人はあな

たではありませぬから、」というので、女性の歌として解釈する。


ヤフーブログサービス終了に伴い:

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ヤフーブログサービス終了に伴い:

ライブドアのブログに移転する計画をしています。


以前作り掛けてやめたブログです。うまく移転できるか不明です。自信がありません。

後藤早苗遺歌集「野菜とわたし」(仮称)下書き(21)

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7月20日(土)

後藤早苗遺歌集「野菜とわたし」(仮称)下書き(21)
 
子供らに野菜を作り送ることわれの出来うる唯一の仕事

芽を出したほうれん草がすこしずつ大きくなりて冬を越しおり

ミニトマト種まきしたは五月ごろ霜月までも実を付けくれる

雨ばかり降れば畑のほうれん草とけてしまって跡形もなし

地中にて太くなる芋細き芋この差はどこからくるのだろうか

(つづく)

「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より  ナポレオンとキリスト

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7月20日(土)
                  
「内村鑑三書簡集」(岩波文庫)より

(注)文語を口語に、わたしの意訳箇所もあります。

明治37年より                                                                

ナポレオンとキリスト

ナポレオンは数十万の青年の命を犠牲にして、わずか数年のフランスの王に

君臨することが出来ました。一方キリストは自分一人の命を犠牲として世界

中の億兆の人を救うことが出来ました。王冠のなんと高価なことでしょう、

それに比べて神様の恩恵のなんと低価なことでしょう。この間には、天地雲

泥の差があります。そしてわたしたちはナポレオンを崇めるのではなく、十

字架上のイエスキリストを模範として仰ぐ者なのです。


ヤコブの手紙(24) 5(4)忍耐と祈り(3)

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7月20日(土)

聖書(新共同訳)
 
新約聖書(801)         
 

ヤコブの手紙(24)

5(4)忍耐と祈り(3)

 13あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、讃美の歌

をうたいなさい。14あなたがたの中で病気の人は、教会の長老を招いて、主の名に

よってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい。15信仰に基づく祈りは、病人を救い、

主がその人を起き上がらせてくださいます。その人が罪を犯したのであれば、主が

赦してくださいます。16だから、主にいやしていただくために、罪を告白し合い、互い

のために祈りなさい。正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします。17

エリヤは、わたしたちと同じような人間でしたが、雨が降らないようにと熱心に祈った

ところ、三年半にわたって地上に雨が降りませんでした。18しかし、再び祈ったとこ

ろ、天から雨が降り、地は実をみのらせました。


19わたしの兄弟たち、あなたがたの中に真理から迷い出た者がいて、だれかがそ

の人を真理へ連れ戻すならば、20罪人を迷いの道から連れ戻す人は、その罪人の

魂を死から救い出し、多くの罪を覆うことになると、知るべきです。

(ヤコブの手紙完結)


昭和萬葉集(巻九)(329)(昭和二十五年~二十六年の作品)

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 7月20日(土)    
      
昭和萬葉集(巻九)(329)(昭和二十五年~二十六年の作品)

講談社発20行(昭和55年

Ⅳ(74)

病み臥して(13)

この胸は(1)

川本信子

帯の位置なほして見れど肋骨(ほね)とりし背中の凹みかくすすべなし

肋骨を取りたる胸と見えざれば吾が影法師しばし見てゐぬ

加藤八重子

気胸せし胸に空気が移動する音しきりなり寒き朝にて

宮城謙一

一日の思いはついにあさ吐きし血に還りゆき離るることなし

岡本高樹

かっこうの来て鳴く春をわが胸の肺活量は少なくなりし
 
(つづく)
        

新古今和歌集第六(75) 冬歌(75)

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7月20日(土)

新古今集(340)    

岩波文庫:佐佐木信綱校訂

新古今和歌集第六(75)

冬歌(75)

                             権津師隆聖                                

七百     朝毎のあか井の水に年暮れてわが世のほどのくまれぬるかな

        百首歌奉りし時             入道左大臣                                                                                    

七百一   いそがれぬ年の暮こそあはれなれ昔はよそに聞きし春かは 

                      (つづく)


歌集「白南風」(3)  天王寺墓畔吟(3)

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7月20日(土)

北原白秋歌集(121)

中公文庫:日本の9(北原白秋)より

昭和49年十一月詩歌十日初版

歌集「白南風」(3)

                       天王寺墓畔吟(3)

声呼ばふ墓地のかかりの夕餉 ( ゆふげ )どき遊びあかねば子らは ( かな )しも

電柱の影うちかしぐ夕月夜切通 ( きりどほ )し上のあらくさのはな

吾が ( み )るは幽世 ( かくりよ )ならず朴の葉に月出で方の黄の火立 ( ほだち )なり

日ざかりは ( ま )だし ( うつ )しきもののつやほの肉色の昼貌 ( ひるがほ )のはな

墓原の木立に暑き ( せみ )のこゑじんじんときこえ今日も久しき


(つづく)

万葉秀歌(上巻)(117) 斎藤茂吉著  巻第四(2)

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7月20日(土)    
 
万葉秀歌(上巻)(117)

斎藤茂吉著

巻第四(2)

(きみ) ( ま )つと ( わ ) ( こ ) ( を )れば ( わ )屋戸 ( やど ) ( すだれ )うごかし ( あき ) ( かぜ ) ( ふ )

(巻四・四八八)額 田 王

額田王が近江天皇(天智天皇)をお慕いもうして詠まれた。

茂吉:一首の意は、「あなたをお待ち申して、慕わしく居りますと、私の家

の簾を動かして秋の風がおとずれてまいります、」というのである。

 (つづく)





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